特集記事

Panel Discussion 02パネルディスカッション第二部:世界目線に学ぶ

「女性は持続可能を常に考えている」

パネルディスカッション第二部イメージ

女性が暮らしやすい長野へ

白河:最近、婚活、妊活という言葉をメディアで見かけるようになりましたが、私の仕事は簡単に言えば、女性の望みをどのように叶えていくかについて研究することです。

「女性が出て行く県、残る県、やってくる県」のデータをお持ちしました。未婚の男女比は県によって全然違っています。生まれた時は100対100ですが、やはり途中から女性が地元を離れ、かなり男女間で差がついてしまいます。第一次産業や製造業の多い地域は非常に男性の未婚者が多いですが、都会では女性の方が多い。このデータから、女性は働きたい仕事が多い場所に集まるという傾向がうかがえます。

パネルディスカッション第二部イメージ

パネルディスカッション第二部イメージ

女性は、仕事を求めて地元を離れた後は、結婚のために次の住処を探します。裏を返せば、仕事もプライベートも両立できる場所をたくさん作ることが、女性を惹きつける上でとても重要だと言えるのです。つまり、女性は持続可能ということを常に考えています。ただ仕事があったとしてもそれだけでは駄目です。
日本は今、過労死という言葉があるほど青天井の長時間労働が許されている国です。そのため、結婚していても男性は全然家に帰れず、母親は孤独の中で子育てをする。だから、第一子の誕生は元より独身の人は婚活の時間すらありません。その典型例が東京です。東京は結婚しにくい、産みにくいという最悪な地域です。しかし、この長時間労働が規制できれば家族で過ごす時間も増えるはずです。すると、結婚や子育てにポジティブになれる正のサイクルが生まれてきます。

他には、1日当たりの通勤時間も影響しています。神奈川県はやはり通勤時間が長く少子化傾向です。理由は父親の家庭での滞在時間が短く、逆に母親は子どもができると働けなくなるからです。長野県は通勤時間が短く職住も接近しており女性が住みやすい県といえます。
これからの「人生100年時代」のライフスタイルを考えていく上で参考にしていただけると幸いです。

谷口:様々な視点からご提案いただきました。女性活躍社会と言ってもまだまだ改善点がありそうです。今、個人という単位に注目が集まっており、それぞれの働き方があってしかるべしという考え方が広まっています。ここに対する認識とプログラムがあれば、もっと女性に優しい働き方は進行すると思います。その上で成果をあげ社会とどうつながるのかが大事になってくる。社会との接点を持つためにも、それぞれの得意技登録制度を設けてみるのも一案かもしれません。最後のリポーターになります。にしゃんたさん、よろしくお願いいたします。