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Panel Discussion 02パネルディスカッション第二部:世界目線に学ぶ

パネルディスカッション第二部イメージ

「違う」ことの価値、自立の心、そして健康で続けること

コーディネーター

画像:谷口正和

谷口正和マーケティングコンサルタント
京都府出身。ジャパンライフデザインシステムズ代表取締役社長。生命、生活、人生の在り方を問う「ライフデザイン」を企業理念にコンセプトプロデュースから企業戦略立案、地域活性計画まで幅広く活動。東京都市大学、立命館大学大学院などの教授も歴任し、マーケティング論、社会学を背景とした著作多数。日本デザインコンサルタント協会・副代表理事、日本デザイン機構理事等兼任。

オブザーバー

画像:谷口正和

阿部守一長野県知事
東京都出身。東京大学法学部卒業、自治省勤務の後、2001年長野県企画局長、同年副知事、07年横浜市副市長、その後内閣府勤務を経て10年長野県知事就任、14年再選され現在に至る。就任当初より「半農半X」など、自分らしい多様な働き方・暮らし方を創造する取組みを進める。

パネラー/五十音順

  • 画像:エリカ・アンギャル

    エリカ・アンギャル栄養コンサルタント
    オーストラリア出身。シドニー工科大学卒業、健康科学学士。栄養学、薬理学、生理学などの予防医学に通じており、ヘルシーライフのあり方や女性美について発信。2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタント。日本在住は延べ21年目となる。
  • 画像:大和田順子

    大和田順子サステナブルコミュニティ研究家
    東京都出身。(社)ロハス・ビジネス・アライアンス共同代表。東急百貨店、東急総合研究所等を経て2006年に独立。2002年にロハスを日本に紹介。各地の農山村にて有機農業や生物多様性をテーマにCSV(共有価値の創造)手法を通じ、地域の課題解決を行う。13年、総務省地域資源・事業化支援アドバイザー就任。
  • 画像:鬼丸昌也

    鬼丸昌也認定NPO法人テラ・ルネッサンス創設者・理事
    福岡県出身。認定NPO法人テラ・ルネッサンス創設者・理事。立命館大学法学部卒業。大学在学中の2001年に初めて訪れたカンボジアで地雷被害の現状を知りNPOを設立。同国での地雷除去支援・アフリカでの元子ども兵の社会復帰、日本国内での平和理解教育など幅広く社会・国際貢献に寄与。
  • 画像:白河桃子

    白河桃子とうこ少子化ジャーナリスト
    東京都出身。慶應義塾大学卒業。商社や外資系金融を経て著述業へ。2008年、山田昌弘中央大学教授との共著「婚活時代」のヒットで「婚活ブーム」を呼ぶ。女性の働き方やライフプラン、不妊治療、ダイバーシティなど、幅広い分野で研究・発信。内閣官房「働き方改革実現会議」委員。
  • 画像:にしゃんた

    にしゃんた社会学者
    スリランカ出身。タレント、羽衣国際大学現代社会学部教授。立命館大学を総代で卒業し、2005年に日本国籍を取得。「教育・子育て」「生涯学習」「多文化共生」「幸福論」など様々なテーマで講演活動を行う。現在は、大学で教鞭をとる傍ら、TV・ラジオなどで活躍。京都府在住。

「できないことよりもできることを考えて」

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谷口:第二部のテーマは「世界目線に学ぶ」ということで、グローバルな視点でご発言をいただきたいと思います。今、時代は垣根なき社会へと突入しました。新しい交流と生き方がどのようにつながっているのか、この観点を踏まえていきたいと思います。では最初にエリカ・アンギャルさんからお願いします。

年齢を問わない生き方

エリカ:100歳までいきいきと元気に過ごすポイントは5つあります。まずは健康ですが、長野には健康を支える伝統的な食事があり、また近隣には野山があって自然に体を動かすこともできます。前向きでいることも大切ですから、友達との良好な関係も長寿の秘訣といえるでしょう。また生きがいを持つことも重要です。
長野の伝統食は、長寿と密接に関わっています。特に世帯当たり摂取量が日本一の味噌は、最近の研究によると生活習慣病の予防に有効という結果もあります。また長野を代表する野沢菜漬けは、腸内フローラ改善にも効果的で、よい菌を成長させるという研究もあります。さらに豊かな自然の恩恵である美しい水も欠かせません。きれいな水が酒文化を育みますし、酒粕と甘酒には目の下のくま改善やニキビ予防等の肌のトラブルに効果があるという研究もあります。こうした地域の伝統食を今も長野の人々が保持していることに非常に感動しています。

パネルディスカッション第二部イメージ

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最後に100歳まで元気でいる秘訣として、99歳にして現役のヨガインストラクターのタオ・ポーション・リンチさんの素晴らしい言葉を紹介したいと思います。「When I wake up in the morning, I know it’s going to be the best day in my life.(朝起きた瞬間に、今日が人生で最高の日になることがわかるのです)」。そして、もう一つは、「I don’t believe in age, I believe in energy. Don’t let age dictate what you can and cannot do.(年齢ではなく、エネルギーを信じているの。年齢に行動を支配されないことです)」。
この2つの言葉は、常に前向きでいること、そして何事も年齢ではなく自分のやる気次第であることを意味していると思います。私自身も「できないことよりもできることを考えていたい」というメッセージを残して、スピーチを終わりにしたいと思います。

谷口:ありがとうございました。医食同源の思想が日常に存在する長野の暮らしはまさに長寿社会の模範となります。続いてサステナブルコミュニティの研究をされています大和田さん、お願いします。