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◆須坂市の歴史的産業遺産をご紹介◆誰もが驚くお休み処の秘密とは?!『須坂市ふれあい館まゆぐら』

須坂市その他

◆須坂の歴史的産業遺産をご紹介◆
「ふれあい館まゆぐら」は蔵の町並みの銀座通り一角に無料休憩所として利用されている歴史ある施設です。明治期に旧田尻製糸が建てたもので、当時は繭の貯蔵庫として活躍をしていました。明治、大正、そして昭和の戦後も乗り越え昭和32年に製糸工場としての役割を終え閉業。のちの改修事業によって2001年(平成13年)に「ふれあい館まゆぐら」として生まれ変わりました。

 まゆぐら まゆぐら看板

2003年には国の登録有形文化財として、また2007年には経済産業省による近代化産業遺産に認定されています。

入口 文化財


●誰もが驚く秘密とは!
知ると誰もが驚くのは「まゆぐら」が元々この場所に無かったということです。現在の位置から180メートル離れた場所から3ヶ月かけて曳家で移動をしました。当時、市がすすめていた都市計画道路の整備により解体を迫られていましたが、歴史ある産業遺産を残す運動を経て生まれ変わった建物です。観光で来られた方に説明をすると大変驚かれるエピソードです。

後ろから 法被
 

●製糸業で栄えた須坂を伝える展示品
もともと建物は3階の土蔵造りでしたが、改修によって2階構造となりました。
1階は展示コーナーと休憩処、2階は博物館として養蚕や製糸の資料等が展示されています。

一階 お茶

地元のボランティアの方がお茶と手作りのお漬物でもてなしてくれます。お茶をいただきながらDVDで須坂の製糸業の歴史を見ることができます。

DVD繭の歴史映像

ちょうど取材日は信州須坂「わくわく」おひなめぐりの期間中で、1階の展示コーナーには明治から昭和初期までのお雛様が飾られていました。

お雛様1 お雛様2

お雛様3 お雛様4

 

2階へと続く階段頭上には吹き抜けの天井が広がります。階段の途中には、明治時代に撮影した市内の写真が飾られていて思わず引き込まれてしまいます。

階段 明治時代の町の写真

2階天井には当時の梁がそのまま活かされていて、養蚕や製糸機器の展示品がぐるっと囲むように並べられています。

2階 天井の梁

当時はこんな風に繭を保存していたんですね。

繭の保管場所 繭の保管方法

鎌 糸繰機

糸繰機2 シルク

須坂で作られた生糸は評判が高く、横浜を経由してアメリカに輸出されていました。日本から東の方角に向けて輸出される由来から「東行社」という同業結社ができたほどです。生糸は、当時ストッキングの原料として高級な素材でした。

工場内
                                  当時の製糸工場内


 

外観

一歩外に出て外観を眺めてみると、壁面に丸い形で「く」の字の金具が刺さっているのが目につきます。

乳鍵

\ここで問題です!/これは一体何に使うものだったのでしょう?

答えは「乳鍵(ちちかぎ)」
当時、漆喰の壁をメンテナンスする際、鍵の部分に木をかけ職人が足場として使っていました。蔵の町並みの建物の多くに、この乳鍵が見られますので、ぜひ注目してご覧ください。

プランターの花

誰でも気軽に立ち寄れる「ふれあい館まゆぐら」は蔵の町並みの休憩処でもあり、製糸業の繁栄と衰退の歴史を辿ることができる須坂の産業遺産です。もてなしてくれるお茶をいただき、ひと休み。

さぁ次はどの蔵へ行きましょうか?

 

2020年2月29日取材
須坂市移住・定住アドバイザー 豊田貴子



掲載者及びお問合せ先【須坂市

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