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    移住者体験談

    農業をこの地、東御で。

    東京都 東御市 農林業・自然と働く

    小夫 眞さん・小川 二巨さん

    移住先 東御市
    移住年月 小夫さん:2001年、小川さん:2008年
    職業 ぶどう農家
    補助金よりも環境が大事の画像

    補助金よりも環境が大事

    都心から移住して、東御市特産のぶどうを栽培するお二人にお話をお聞きしました。


    ■小夫さん
    出身は栃木県ですが、永らく横浜で技術者として働いていました。
    しかし、定年にとらわれないで自分の限界まで働きたいという思いから農業を始めたいと考えていました。妻も同じ想いだったようです。
    そんななか、横浜でサラリーマン向けの農業講座で二年間野菜づくりを学びました。

    農家になるにあたっては、作目を何にしようかと考えていました。重いものだと年をとってしまえば作業が大変になる。そこで果樹のなかでもぶどうに目をつけました。
    色々と就農先を探している中で、農業の雑誌を見て、移住者の農業制度が整っている当時の東部町(現・東御市)を見つけ、移住を決めました。。
    研修制度や農地の仲介を行政がやってくれるんですよね。また里親制度といって、こちらの農家さんに弟子入りする制度もありました。

    ■小川さん
    出身は東京なのですが、3歳から高校3年生までは長野県にいました。その後東京に出て、プログラミングの仕事をしていました。
    40歳まで東京で働いていましたが、定年退職のない農業に魅力を感じました。そして、東京で開かれた農業関係のフェアなどに参加し、ぶどう栽培に興味を持ちました。
    ぶどう栽培ということで岡山県なども検討したのですが、環境の良い東御市の移住を決断し、移住しました。

    実は、新規就農に対する補助金でもっと条件がいいところもありました。
    でも、補助金より環境が大事だと思います。東御市は環境がいいから、美味しいぶどうが育つんです。

    サラリーマン時代の貯金を崩しながら、こちらで研修を受けつつ就農者向けの住宅に住んでいました。
    いまは自分の農園を持っており、ナガノパープルやシャインマスカットなどを栽培しています。

    農業は人と人をつなぐ関係を創り出すの画像

    農業は人と人をつなぐ関係を創り出す

    ■小夫さん
    今ではぶどうをはじめ農業生産者や関係者の方を中心に、多くの地域の人と親密になることができました。
    心がけたのは、自ら出歩き、地域の人と話をするということです。
    今でも地域の人と直接お話することで、多くの情報を得ることができています。どの人も面倒見がいいんですよね。

    ■小川さん
    移住した当初は、地域の人々と溶け込めるか不安でしたが、あたたかい地域の皆さんに恵まれ、すぐに溶け込むことができました。
    また、農業をやっていると野菜をわけたりわけてもらったりと、地域での物々交換ができるんですよね。
    そのことをきっかけに、農業は人と人をつなぐ関係を創り出すものだと改めて感じました。

    ある日、農園で作業をしていたところ使ってきた機材から水漏れをしていたんです。それに気付かないまま作業をしていたら、となりの人が飛んできてくれて教えてくれました。東京だとそういうことってなかなかできないですけれど、こちらだと自然にできると思います。

    また地元のJA(信州うえだ農協)の方にもお世話になっています。最近だと、農協に対して色々言う人がいますが僕はとても感謝していますよ。
    ぶどう栽培は季節によって様々な作業が必要なんですが、そのたびにJAさんが講習会を開いてくれるんですね。丁寧な資料つきで。
    また実際に農園に来て、色々指導もしてくれます。ありがたいですね。

    地域の人たちとのつながりを楽しむようにの画像

    地域の人たちとのつながりを楽しむように

    ■小夫さん
    住宅を探すのには若干苦労しました。土地はたくさんあるのに物件が少ないんです。
    でも、家探しには裏ワザがあるんですよ。歩いてみて気に入った場所のメインの通りにマンホールがあったらそのあたりは宅地にできる可能性が高いですね。マンホールがあるところには下水道があるので。一番のポイントは水なんです。

    ■小川さん
    家探しの話で言うと、僕はここに住んでみたいな~っていう場所が決まってから、その周辺を歩いてそこにいる人たちに話を聞きました。「ここらへんに住みたいんですけれど、土地ありませんか?」って。
    お家にまで訪ねたこともありますよ(笑)それで土地を見つけて、今住んでいる家を建てました。

    大変なことは、僕の住んでいる田沢地区ではイベントがすごく多いんです。その分、地区役員の仕事も増えて、最初は正直面倒くさいなと思ってしまっていました。
    ただ、慣れれば気にならなくなりましたね。地域の人たちとの繋がりも生まれますし、今はそれを楽しむことができています。

    農業をするのは、お金がかかるの画像

    農業をするのは、お金がかかる

    ■小夫さん
    東御市は景観がいいんです。観光客を増やせるというのはもちろん、農業も景観のひとつですから価値があります。人の手を加えることでより心良いと思える環境にしていきたいですね。たとえば手付かずの雑木林を手入れして公園にしてみるのはどうでしょうか。

    最近では古民家に関するプロジェクトも立ち上げています。廃屋も手つかずだったらそのままですが、綺麗にすれば立派な観光施設になりますしね。

    ■小川さん
    もっと農家が優遇されたらいいなと思いますね。専業農家をしながら子どもをもつというのは楽ではありません。新規就農のために移住してきた人の中でも子どもがいない人はいます。
    子どもがいながらでも生活していけるような支援があったらいいと思います。農業をするということは本当にお金がかかりますから。でも、こちらに来てからはお金を使わなくなりました。
    東京にいた頃は、高級な服などを銀座で買ったりしていましたけれど、今はこちらのスーパーの値下げされた服で十分です(笑)

    農業は、精神的に豊かになるの画像

    農業は、精神的に豊かになる

    ■小夫さん
    自分が思ったことを実行できないことはありません。諦めないでやっていけば道は拓けるものだと思っています。東御市はなにしろ気候風土が良く環境がいいですし、面倒見の良い人もいますからね。
    助けてくれる人を見つけることが大切だと思います。

    ■小川さん
    移住して農業を始めるのは大変なこともありますが、続ければ楽しくなってくるものです。
    対人関係でストレスがたまらないので精神的に豊かな気持ちになれますし、生活の知恵が身につくのがよいところだと思いますね。
    是非、農業にチャレンジしてほしいと思います。


    □おぶどう
    http://www015.upp.so-net.ne.jp/obudou/
    □ふたみ農園
    http://www.farm23.com/

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