須坂市移住応援book スザカで暮らす
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No.- 46 -東横町/有限会社丸源鋸工場3代目代表取締役 湯本浩司さん須坂市には、独自のアイデアと技術で、鋸のこぎりを製造している工場があります。平成26年で92年目を迎える有限会社丸源鋸工場は、大正11年に創業し、元々は、須坂で製糸業が栄えた時代に、先々代が始めた鋸造りの家業が始まりだそうです。鋸を専門に製造しており、特許を取得した独自の製法で作るその鋸は、全国の果樹農家から高い支持を得ています。そんな丸源鋸工場の三代目、代表取締役の湯本さんに、工場の歴史や経営理念をお伺いしました。●鋸を見つめ続けて90年以上「創業当初は、山の木を切る鋸を製造していました。先々代の時代は、どんな切り方をしても折れない鋸を作るということに徹していたそうです。その後、先代の時代になり、産業が果樹農業に変わる中で、市内にある長野県の農業試験場からりんごの木の剪定用の鋸を作ってほしいという依頼がありました。当時は、専用の鋸が無く、山用の鋸を代用していたのが現状でした。先代は、試験場や農家の方に話を聞きながら、独自に研究を重ね、炭火焼きをして刃の強度を上げる、刀と同じ製法で作った鋸を開発しました。おかげさまで、りんご生産者の増加という時代の流れとも重なり、多くの果樹農家の方に愛用して頂きました」●試行錯誤の末、特許を取得「昭和の終わりになり、私の代になる頃から、徐々に時代が変わり始めました。それまで農家さんは、鋸の切れ味が悪くなると、お店に目立てをお願いして研いてもらっていたのですが、切れ味が悪くなったら安い鋸に買い替えるという流れに変わってきたのです。安い鋸では大手メーカーに価格で負けてしまうと思い、私はさらに鋸を改良し、試行錯誤を重ねました。鋸の板の材質を変え、刃の形状も変えま技術の継承

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