須坂市移住応援book スザカで暮らす
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- 42 -No.上中町/土屋印店5代目店主 土屋武志さん上中町にある土屋印店は、創業120年(明治28年)程になる老舗の判子専門店です。5代目店主の土屋武志さん(一級印章彫刻技能士)は、お店を引き継いで9年目になり、平成27年2月23日に開催された第28回技能グランプリでは、印章木口彫刻の競技職種で、初出場ながら金賞(厚生労働大臣賞)を受賞される程、高い技術を持っています。また、2年に一度開催される全日本印章業協会主催の全国印章競技会や毎年開催される大阪府印章業協同組合主催の大印展では、幾度も金賞を受賞されており、お店の中に飾られている受賞作品の印章は、もはやアートと言っても良い程繊細で緻密にデザインされています。それでも、判子屋さんとして謙虚に製作に励む土屋さん。今回は、そんな土屋さんにお話を伺いました。●創業120年程になる老舗の判子屋さんの5代目として「祖父がお店で判子の製作をしており、判子づくりは、当たり前の光景でした。その後、先代である父が引き継いだこともあり、いつか自分もお店を引き継ぐのだろうという思いはありました。会計事務所の仕事を7年程していたのですが、先代の父が大きな手術をした時に、お店を引き継ぐことに決めました。前の仕事を退職し、そこから2年間、毎週末になると神奈川県の職業訓練校に通って印章の製作技術の習得に励みました。そこで、判子を彫る技術のみならず、印刀の作り方や字も習いました。現在でも月1回通っています。また、過去の受賞作品を見たり、別の加工技術などを勉強し、製作に応用していければと研究しています。判子の製作は、印材を印刀で彫るという、一見してシンプルな作業工程ですが、だからこそ奥が深いです。特に昔の人の作品を見るとその技術の高さを感じることが出来ます。レーザー加工では作り出せない様な緻密な作品もあります。お客様の大切な瞬間に立ち会えるからこそ、少しでもいいものに仕上げることが出来る様に日々心掛けています」創業120年続く、老舗のはんこ専門店

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