須坂市移住応援book スザカで暮らす
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No.- 17 -仕事を語る割烹料理店「能登忠」http://www.notochu.jp/住所:須坂市大字須坂304☎ 026-245-0053ります。お客様を悲しませることは、私がどんなに準備しお気遣いしたとしても間違った事です。そのような事は、弁解せずに頭を下げ謝ります。お客様から学ばせていただけるところはたくさんあります。スタッフを見ていると、大変な経験をしている人は、人の気持ちを感じ取れるような気がします。お客様に対してプロである以上、失敗は許されないことですが、指摘していただくことは能登忠のためを思っていただけることですから、すべて教えと思い、学びだと思っています」●五節句の意味を伝えたい。「日本には五つの節句があります。五節句にはそれぞれ大切な意味があります。例えば、五月の端たん午ごの節句には、柏餅を食べます。柏は新芽が出るまで葉が落ちないことから、家系が絶えない縁起物とされたそうです。今の子ども達はそのような意味を知らない人が多いような気がします。それは、情報が多様化しすぎて、うまく伝わらなかったからだと思います。四季の料理を通して、料理の思いや意味をたくさんの方にお伝えし文化の意味を実感することができ、人生が豊かになるお手伝いをしています」●今後について「人が生まれてから亡くなるまで、人間模様としてお宮参り、五節句、結納、結婚、節目のお祝い、還暦、卒寿、米寿、葬儀のように、様々なイベントがあります。そのような日本文化は、どこの国にもない独自の文化です。今後、その文化を大切にし日本文化のあり方を多くの方に、伝えていければと思います。私、個人としてはお墓に入るまで勉強だと思っています。70代、80代になっても、まだ知りたいことはたくさんあり、知らないことは山ほどあるからです」大切な人を思い、特別な料理をゆっくりと味わいながらいただく。そこには、今では忘れがちな他者への思いがあり、誇るべき日本文化です。そして、それを繋ぐ方達の涙ぐましい努力が詰まっているのだと思いました。田幸さんインタビューご協力いただきありがとうございました。 (平成27年6月インタビュー)

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