須坂市移住応援book スザカで暮らす
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No.- 16 -横町/割烹料理店「能登忠」女将 田幸久子さん 能登忠は、明治、大正、昭和と須坂の製糸業の繁栄と衰退や様々な歴史とともに一緒に歩んできました。格式張っていると思われがちな懐石料理に親しんでもらう工夫を凝らし、気軽に楽しんでもらう努力を重ねています。 女将さんである田幸久子さんにお話しをお聞きしました。●須坂に嫁ぐきっかけ田幸さんは、元々警察関係の仕事をされており、当時の上司の紹介を機に能登忠4代目当主の田幸 新一さんと出会い、結婚し女将さんになりました。「私は、須坂の事を知らなかったので、地域の方やお客さまにお話しをお聞きし学んでおります。まだまだ知らないことがたくさんあります。学びは尽きないと思っています」とおっしゃいます。●料理に込める、ささやかな思い「ご予約をいただく時に、できるだけ多くの情報を聞き、要望によって料理を工夫しています。例えば、ご結納でしたらエビの背中を丸くします。嫁ぎ先でお嫁さんが腰が曲がるまで長生きできるようにという意味が込められています。先代から受け継いだ教訓として、素材の持ち味を殺さず、活かすことを教えられました。靴を脱いだら揃えることが当たり前のように、今後も、学んだ事をコツコツ積み重ねていきたいと思います」●お客様の心を感じ取り、真正面から向き合う「お客様が10組いれば、10通りの場合があります。その中でも、お客様がどのような状況なのか、心で感じとらなければいけません。乾杯のタイミング、お食事中の笑い声、お食事の進み具合などから感じとり、料理の順番やお声がけする言葉を選んだりします。想像力や広い引出しが必要で、これは経験でしか身に着けられないものです。中には、私が良かれと思ってもお客様からお叱りを受けることもあ創業130年の老舗の割烹料理店「能登忠」

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