須坂市移住応援book スザカで暮らす
100/140

- 99 -No.場所を語る●自分で作ったものを食べるという豊かさ 以前、真由美さんは、食料品の流通に関わる仕事をしていました。日々の仕事の中で、合理性、効率性、利便性を極限まで追求し、大量生産、大量消費、大量廃棄することに対して違和感をおぼえたといいます。そんなことから、食料経済を学びに岐阜の大学院に2年間ほど通い、地域内で食料が循環する大切さに気づいたそうです。「ひとたび大きな災害が起これば、経済活動や流通は止まり日々の食料も手に入らなくなってしまいます。しかし、地域内で食料が循環していれば、そうした不安は軽減できます。更に自分で農産物を作れば、安全で美味しいものを安定して食べることができます。毎日の生活の中で、本当に豊かな暮らしとはこういうことなのではないかと実感しています」●リデュース、リユース、リサイクルできる農ある暮らし 若林さんは自分で作ったもを自分で食べるという暮らしをしていると徐々に資源をRリデュースeduce、Rリユースeuse、Rリサイクルecycleできることに気づいたといいます。リデュースは廃棄を減らすこと。リユースは繰り返し使うこと。リサイクルは再資源化することです。 「最初に、資源を効率的に利用できることに気づいたのは畑作業からでした。畑に堆肥をまき、農産物を育て収穫し、食べればゴミが出ます。しかし、それを捨てるのではなく堆肥化することで資源がリサイクルしていることに気づきました。リユースという点では、手間をかけ大切に育てた野菜を捨てるのをもったいないということで保存食作りを始めました。お漬物、果物のコンポート、ショウガシロップ、ゆず酵素など様々な保存食を作っています。また、リデュースという観点でいうと、必要なものは畑にあるので要らないものを買わなくなりました」●持続可能なグリーンツーリズム 若林さんは、2016年からこの須坂グリーンツーリズムという団体の事務局をされており、グリーンツーリズムについてお聞きしました。 「これまでのグリーンツーリズムはボランティアで運営されている場合が多かったようです。しかし、これでは運営側が疲れ果ててしまうんですね。活動を持続可能にするには対価が必要だと思うのです。ある程度のお金が循環することで、持続可能なグリーンツーリズム活動ができるように知恵を絞っていきたいですね」 若林さんは実践家。興味をもったことに何でも挑戦するタイプだからこそ現在の暮らしができたと感じました。 (平成28年2月インタビュー)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です