信州・南佐久・さくほ さくほの家の物語
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対談職人自然の多いさくほに惹かれて移住する人も、敷地が草ぼうぼうでは困るだろうし、虫がニガテな人もいるのではないでしょうか。そんな人に何かよい手はありますか? 高見沢(基礎・外構) いちばん手っ取り早いのはアスファルトやコンクリートで固めるのだけれど、それではせっかくの田舎暮らしが台無しですよね(笑)。庭になるほうはレンガや枕木などで草の生える面積を小さくし、かつ、隙間を固めると草は生えにくくなります。見た目を気にしなくていい場所には防草シートを使うと簡単です。防草シートを張って、20ミリの石粒をその上に敷きます。この20ミリがポイントで、粉状の土や砂があると草が根を張ってしまうのですが、この大きさなら草が根を張れずにすっと取れます。友野(石材) 鉄平石は飛び石にも多く使われていますが、細長く加工したものを敷き詰めて使ってもいいと思います。加工しやすい性質を生かして、自分の家だけにしかない特長を創るのも広い敷地はいいけれど草や虫が心配さくほの家の快適条件いいと思います。高見澤晃(大工) 風除室は家に冷たい空気を入れないためのものですが、虫をよけるのにもいいかもしれませんね。さくほの家にかかわるということ新旧さまざまな建物の写真を見ながら盛り上がる職人の皆さん。職人のみなさんにとって、地元さくほで家を建てるということはどんなことですか? 石田(板金) 誰のやった仕事かがわかっているんだから、恥ずかしい仕事はできないよね。百年以上前に建てられた家の修理をしていると、雨どいを支える金具が手で打って作ってあったりして、すごいなぁって感動する。今は既製品を使うことが多いし、それは費用をかけずにいいものができる時代になったってことをありがたく享受しながら、自分も「いい仕事」をちゃんとして生かさないとね。 小澤(電気) 自分たちの仕事は、直接表に見えるところは少ないけれど、大工さんが自分たち下職にもどうしようかと意見を聞いてくれて、一緒に作っていった現場には愛着があります。家が建った後も、どうなっているか気にしながら通りますよ。青木(設備) 設備は家を建てた後にもメンテナンスが必要になるので、手入れしやすいように住宅にも環境性能が求められ、2020年にはすべての新築住宅が省エネ基準を満たすことが求められます。断熱性・気密性を高めつつも、自然豊かなさくほの環境を生かした家。地元をよく知る職人さんとなら、建てるときも、建てた後もずっと安心ですね。4窓・ドアの熱伝導を小さく窓やドアの熱の通りやすさは、熱貫流率(U値)W/㎡・Kで表され、値が低いほどよい。部材はアルミ→樹脂→木材の順にU値が低く、複層ガラスの場合は間にガスを注入したもののほうが低い。5住宅以外の凍結防止必然的に暖かくなる住宅の外にこそ注意が必要になる。雨どいの設置場所や、敷地の排水などを専門業者に相談して、倉庫や車庫、庭や駐車場に水を溜めない、凍らせないようにしたい。6電気・設備まわりの選択太陽光発電、ハイブリッド給湯・暖房システム、ヒートポンプなど、エネルギーについての新しい仕組みや技術がたくさん出ている。家の立地や家族 の条件などを踏まえ、専門業者に相談しながら決めていきたい。

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