信州・南佐久・さくほ さくほの家の物語
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家族や地域の歴史を伝地域の歴史や暮らしの蓄積』で、だからこそ、ただ建て替えるのではなくて、その家の持つ風合いを大事にしたいんです」と岩下さん。床板は全部外して洗い、塗料を3回塗って、元通りの場所に張りました。その一方で快適に過ごせるよう、屋根の内側に断熱材を入れて板を張り、窓は二重窓にします。 山村テラスを運営して発見したのは、電気も水道も通っていない小屋には、便利で広い家とは違う時間が流れているということ、そして、大日向には豊かで確かな暮らしがあること。大日向の小屋は「とんがった滞在場所」で、そういう場所を増やしていきたいと、今回の修復を始めたそうです。「小屋も、古民家再生も、空間を造るだけでなく、そこでの過ごし方の思想とか哲学とか、『確かに暮らしていること』をいろんな人とシェアしていきたいと思っています。それが来る人にこの地の文化を感じてもらうことになるんですよね。自分が関わることによって、古い家に新しい命を吹き込めればうれしいです」。修復が終わったら、この家に住んでいた5人姉妹を招いて、思い出を引き継ぐ会ができたらと考えているそうです。おばあちゃんたちの喜ぶ顔が楽しみですね。

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