唱歌「故郷」のふるさと 信州中野で暮らす
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10カフェオーナー、山ノ内町生まれ。東京のスポーツアパレルメーカーで勤務後、中野市に移住。コーヒーショップのバリスタだった奥様とともにカフェをオープンした。また山岳ガイドの資格を生かし、トレッキングや雪山、川釣りなどのツアーも行う。ProFILE4フランス料理店オーナーシェフ、小布施町生まれ。ベルギーで修行を重ねたシェフの料理には、自家菜園の無農薬野菜や果物がふんだんに使われ、フレンチながらもどこかベルギーのエッセンスを感じさせる。お店の家庭的な雰囲気も評判。ProFILE3MUSE chez shige小坂 繁一さん3RD CAFE & MORE関 貴彦さん関 そう、それ言われるんですよ。例えばうちみたいにカフェだったら、スキー場に隣接した場所の方がお客さん来るでしょ?って言われるんですけどね。堀井 なんかみんなの話を聞いてると「自分でお客さんを呼ぶ」っていう気持ちが強いですよね。好きな人は来るだろうから、しっかり自分のコンセプトを持ってやってれば、人が来てくれるって信じ続けてる所はありますよね。中川 僕は中野に来てから10年は、こっちで作って東京や横浜で売る形でした。でも工房を新しくするついでにギャラリーも作ったので、じゃあ10年の区切りだしということで、初めて中野で展示会をやったんですね。そうしたら結果的に大盛況で、東京より売れたくらいでしたし、10日間で延べ2000人くらい来てくれて。 そう考えると、あ、これ中野でやっている意味大いにあるなって思って。東京方面からのお客さんも多くて、ぎりぎり日帰りできる距離だっていうのもある。新幹線も通っているし、高速でのアクセスもいいですよね。これがもう少し遠かったら難しいかと思うんですけど、立地の良さっていうのも実はあるのかも知れません。編集 みなさん中野で起業して正解だったということでしょうか?堀井 少しおこがましい話ですけど、自分たちに力が無ければ難しい土地だと思う。本当にコンセプトがあって情熱のある人たちっていうのは、きっとどこでやっても成功するし、そこを地盤にしていける。そう考えると中野で正解だった点っていうのは、「自分たちがやりたいことができた。自分のスタイルでここまで商売することができた」っていう結果論的なものなんです。インフラも整ってるし家賃も安い。「純粋に自分の力を試す」という点では良い土地だと思う。関 中野って少しフラットな地でもある。小布施の町並みとか、山ノ内の温泉とか、そういう際立ったものが少ない。でもそれが逆に「何にも縛られてない」っていう気持ちの良さもあるんです。堀井 観光地は建物や看板の色なんかに規制も多いですよね。その点中野は規制も少ないし、街中に貸物件が多い。それこそ中野市が全国から商売したい人を呼んで、チャレンジできる街にしたらどうかなって思います。編集 最近都会の人の中でローカル暮らしへの関心が高まっていて、皆さんのような生き方がかっこいい、という風にシフトしてきている気がします。堀井 子育てにも、中野はすごくいい環境だって聞きますよ。関 うちの子も元々は東京の学校に通っていて。でもこっちに来てみて、東京よりも質が高い面が多いと感じます。クラスのアフターケアもそうだし、病院も多い。環境面ではプラスになることの方が多いのだから、「こっちに来る理由」を作ってあげなきゃいけないと思う。山が好きだとか、自然の中で遊びたいからってことに繋がると思うんですけどね。普通だったら都会で働いて、疲れたから週末に温泉入りにいこう、スキーに遊びにいこうっていう切り口だったと思うけど、自分のライフスタイルごとそういうものにシフトしちゃう。実際にそういう理由で移住する人、最近多くないですか?

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