阿智家族 暮らす、生きる。
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清内路の何軒か合同で民泊を受け入れている。小池さん宅もそのひとつ。つりの人、歴史に興味のある人、何度もリピートする人…。定住をと焦るのではなく、まず地元へ来て理解してもらうことが大切、と語る。とうふ製品だけでなく、酒類から魚や地元野菜、菓子なども販売する地元でたった1軒の“老舗コンビニ”としての一面を持つ。かつては薪で行っていた作業も、機械を導入し5人体制で約500丁ほど作れるようになった。 「大豆のふやかし方ひとつで、でき上がりは全然違ってしまうんですよ。ふやかし過ぎればとうふになりにくい。足らなければ風味が落ちてしまう。気温と大豆の状態を見極めて、ちょうどいい時間を毎日微調整していく。手づくりですから、ごまかしがきかない分、気を使います」 南木曽と伊那谷を結ぶ清内路峠に、旅籠兼酒屋として創業して135年。今や長田屋といえば、市内だけでなく県外の常連さんや旅館のマイクロバスが続々と乗り付けて、手づくりどうふや油あげを買っていく人気店だ。 「とうふを作り始めたのは祖父の代で約80年ほど前。自分も中学高校の頃には、大豆を挽いてから学校へ行ったものです。長田屋のとうふは、やっぱり清内路の水あってこそなんですよね。水との相性がとうふづくりのすべてだと思います」そう語るのは店主であるご主人の小池忠臣さん。 深夜午前2時に始まる作業は、午前7時には仕上がり、8時にはパッキングされて市内や昼神温泉へ配達されてゆく。水との相性がとうふづくりのすべて小池 忠臣さん(53)ただおみ07ACHI KAZOKU

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