阿智家族 暮らす、生きる。
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兄である品川聖さん(ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者)のコンサートを企画したり、2015年からは『阿智ファームライブ』を企画するなど、精力的なアクションを続ける品川さん。「この地域に暮らし続けながら、自分の想いや阿智村の魅力を発信し続けていきたいと思っています。農業だけでは知り合えなかった人が、自分のやっていることに興味を持って畑に来てくれることが本当に嬉しいです」東京都出身空き家だった古民家で暮らす小塚さん一家。「初めて来たときは畑に入っていく道がわからないくらいうっそうとしていました。農業をやりたい、と漠然と考えている人は大規模農業をイメージしているのかもしれませんが、品川くんのようなやり方もあり、わが家のような必要以上の機械や資材も使わない小さくてコンパクトな農業といういろいろな選択肢もあることを知ってほしいですね」 愛知県出身 小塚 「僕が農業研修に行ったのは、大分県でした。農業実習をしながら九州全域から広島あたりまで就農できる場所を探しましたが、どうも見つからない…。そんなとき、阿南町に別荘のある知人がお知り合いを通して阿智村役場を紹介してくれたんです。他の市町村ではさんざん資金について尋ねられたり、営農の難しさを説明されたりでしたが、阿智は当時の担当の方が寛大だったのかな…。それに、有機農法で指導を仰げる環境であったことも大きいかもしれません」 品川 「彼が阿智に暮らすことに決めたと聞いて、研修中の休暇を使って遊びに行きました。信州といっても北アルプスの山ばかり登っていたので南信には縁がありませんでしたが、阿智村が大学時代を過ごした名古屋と実家がある東京の間に位置していること、気候が野菜栽培に向いていて景色がとても良く、そしてなにより人がとても温かい!気心の知れた仲間が近くにいたら、よりおもしろいことができるかもしれない!そう思って、1ヶ月ほど通って自分も阿智村への移住を決めました」 「何農家ですか?と尋ねられたときに、自分はこの作物で勝負してますというものを持ちたいと思ったんです。やるならその作物で日本一になりたいと思い、この阿智村という場所の気候や標高を最大限に生かすことができる″ズッキーニ〞を選びました。出荷時期の長さ、色や形の豊富さ、出荷量、指定のサイズなど、オーダーすべての要望に応えたいと思って栽培しています。また、自分が企画したライブや兄のコンサート会場で、栽培した野菜を販売しています。食と芸術ってとても繋がりの深いもの。いろいろなものを″農〞と組み合わせることによって、農業や阿智を多くの人に身近に感じてもらえたらなぁと思っています」 「少量多品目でじかにお客様に届けるスタイルを大切にしています。家の周りの農地を中心に、年間で60〜70種ぐらい作っているでしょうか。就農1年目から、名古屋で週末に開かれているオーガニックマーケットで、お客様とじかに会話しながら販売しています。 職業は?と聞かれると〝百姓〞と答えています。百姓って農業だけにとどまらず何でもやる。生きること、暮らすことすべてが職業というイメージ。今の自分は、まさに暮らし自体が生きることそのものですから。ふたりの子どもたちは2歳と、5ヶ月。この子たちがこの地で何を見て、どう育っていくのか楽しみにしているんです」気心知れた仲間が近くにいたらよりおもしろいことができるかもしれない!暮らし自体が生きることそのもの。だから、職業は〝百姓〞と言っているんです。(小塚)いろいろなものを〝農〞と組み合わせることによって、農業や阿智を多くの人に身近に感じてもらえたらなぁと思っています。(品川)05ACHI KAZOKU

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