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    移住者体験談

    Vol.1 須坂市で頑張る新規就農者を支える家族/「移住への不安は希望に変化」

    東京都 須坂市 教育・子育て農林業・自然と働く

    田中さつきさん

    移住先 須坂市
    移住年月 2015年1月
    年代 30代
    家族構成 夫と子ども2人(男児5歳、女児3歳)
    職業 農業
    移住への不安は希望に変化の画像

    移住への不安は希望に変化

    扇状地に開けた須坂市は、日当たりや水はけが良く、様々な農産物の栽培に適しており、巨峰やナガノパープルなど、全国でも生産量トップシェアを誇る果物が多く、高品質の農産物が生産されています。盛んな地域農業を継承していく次世代の育成も積極的に行われており、県内外から農業を志す若者らが地域のベテラン農家のもとで農業を実践しながら学ぶ「里親研修」の受け入れにも力を入れている地域です。
    このコーナーでは、そんな新規就農者を支えるご家族の方から、「移住と就農」という人生の一大転機を家族として支えた心境や、須坂暮らしについて、お聴きしていきます。
    今回は、2年間の新規就農里親研修を卒業したばかりの田中典雅さんの奥様で、5歳の男の子と3歳の女の子のお母さんでもある田中さつきさん にインタビューをしました。


    ●夫が農業を目指すまで

    物流業界の会社で海外勤務だった夫との結婚を機に、海外で生活を始めました。独身時代に海外留学を経験し語学力を生かした仕事をしたいと考えていたので、海外での暮らしに抵抗はなく、仕事も暮らしも充実していました。その傍ら、夫婦の間で「子どもができたら教育は日本でしよう」という考えがあったので、第一子を授かったことをきっかけに、帰国することになりました。しかし帰国した後も夫の仕事は転勤が多く、また海外勤務の可能性もなくなるわけでもない状況の中、子どものためにどこかで定住したほうがいいのでは、と考えるようになりました。しかしながら夫の口から具体的に「転職」とか「就農」と聞くようになると、先の見えない方向転換に大きな不安を覚えました。自分たちにとって幸せな暮らしとは何かと真剣に考え熱心に調べている夫の姿を見たり、家族で新規就農者の話を聞きに行ったり、農家体験ワーキングホリデーなどに参加したりしているうちに、「子どものために移住、定住するなら農業」ということに対して前向きな気持ちになっていきました。


    ●どうして須坂を選んだのか

    東京で開催された新規就農セミナーに参加した際にいただいたパンフレットの中で「JA須高」が目に留まりました。「就農するなら果樹栽培をしたい」と言っていた夫に、須坂を含む須高エリアを勧めてみました。その後、地域で開催された就農セミナーに参加して須坂市を訪れてみたら、首都圏や県庁所在地の長野市からのアクセスがとてもよく、総合病院もある、高校も3校もある、市とJAが協力して就農をバックアップしてくれる、なんといっても景色がいい、それと、後に里親研修でお世話になることになる農家の方のお話しに夫婦共々感銘を受けました。


    ●須坂で生活して良かったこと、苦労したこと、須坂市への提言

    良いことと言えば、スーパーが多くて買い物に困らない、臥竜公園や須坂市動物園など子どもを連れていけるところや、1年を通して楽しめる場所が市内にも近郊地域にも多いことです。子育て支援についても、公民館や児童センターでは親子で楽しめる企画があったり、小さい子どもを無料で託児してくれる大人向けセミナーもあり安心して学ぶことができるのも有難いです。
    気になるのは、子どもの医療費について、これまで住んだ都市ではだいたい中学生くらいまで無料でしたが、須坂市は有料で1回の受診につき500円の負担となっています。それも、一旦通常の金額で支払いをした後で、500円を超えた分について後から振り込みによる還付を受けます。子どもの医療費負担金額は軽減されているとはいえ、振り込みなどの事務作業があることを考えると、なんだか煩雑な仕組みのような気がしますね。子育て支援は経済面も含め手厚い支援があるといいなと思います。


    ●移住希望者へメッセージ

    まず、遊びにきて見ていただきたいな、と思います。
    私も夫も、実際に足を運んで見た須坂の風景を気に入ったことが、移住を決めるのにあたり大きかったと思います。移住して2年以上たった今でも、自宅から見える北アルプスや北信五岳の山々に毎日癒されています。


    ●インタビューを終えて

    さつきさんのお話しはどの質問にも真っ先に「家族のために働く夫を支えること」や「子どものために良い環境を整えたい」というコメントがありました。自分よりも家族を想う控えめながらも芯の強い良妻賢母といった印象を受けていたインタビュー中、須坂の良さとして語られたことのひとつ「お隣の長野市にあるMウェーブで好きなアーティストのコンサートに行ったときにコンサート終了後の30分後には帰宅して夕飯を食べていたんです、これって都会では有りえない凄いことですよね。程よい田舎の須坂ならでは良さですよ!」と、弾けるような笑顔を見せてくれました。

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