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    移住者体験談

    余白がないと、他のことは考えられない

    富山県 東御市 趣味と暮らす

    谷口 博 さん(定住アドバイザー)

    移住先 東御市
    移住年月 2004年
    家族構成 奥様と二人暮らし
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    本当に晴れの日が多い

    出身は大阪なのですが、転勤族だったため全国を転々としていましたが、42歳のときに単身赴任で長野に来てそこから3年ほど長野で暮らしていました。
    仕事のテリトリーが東信地域だったので、このあたりはうろうろしていたんです。

    長野に来る前は、富山県にいました。北陸地方って、本当に曇りの日が多いんですよね。1年のうち半分くらいは曇りだと思います。あっという間にカビも生えてしまうし。
    それに比べてこちらは本当に晴れの日が多い。特に東御市は南斜面が多くて最高のロケーションだなあと思っていました。
    定年退職したらこちらに移住しようか、とひとりで考えていました。

    その後、名古屋にもいたのですが仕事が超ハードだったし、60歳になってからの方向転換では遅い、移住は早いほうがいいだろうと判断し、53歳で早期退職し、東御市への移住を決めました。

    いいところだなあと思っていた ―奥様の視点―

    ■久美子さん(奥様)
    もともと、決めるとその通りにするひとだったので、明日仕事やめるからって言われても驚きませんでした(笑)。なので反対はしませんでした。
    主人がこちらへ単身赴任してるときに何度か来たことがあったのですが、天気がいいし温泉もまわりに沢山あったので、長野っていいところだなあと思っていました。
    富山の家もすぐに売れてしまったこともあり、そこまで大変なこととは思っていなかったです。

    自分の中で、条件を決めておくことの画像

    自分の中で、条件を決めておくこと

    単身赴任や長期出張が多いと、生活に根ざした情報がわかるんですよね。
    それも踏まえて東御市は住みやすいとは思っていたんですが、移住を決める際には日照時間や降水量、自然災害などの情報から固定資産税の相場など、近隣市町村と比較してかなり調べました。今の時代、インターネットでかなりのレベルまで調べられますからね。
    それらを検討したうえで、東御市は穴場だと思い、選ぶに至りました。

    移住先を検討する際に大切なのは、まずは自分の中で条件を決めておくことだと思います。
    例えば自分が望む生活に必要な生活インフラが整っているか、一軒家を建てるなら坪単価の予算はどれくらいか。
    そしてその条件を満たすようなところを探す、というやり方がいいと思います。
    環境は変えられませんから、ある程度調べておくことが大事です。何かちょっと予想外なことがあっても、自分が変われば対応できることもありますしね。

    そして、コストを考える。イニシャルコストと、ランニングコストです。
    私は早期退職したので、退職金と今後の年金がどれくらいもらえるかを計算し、生活基盤を整えるにはどのくらいの費用がかかるか。
    そしてその生活を送れる場所が、移住を検討している場所にあてはまるかどうか見極める必要があります。

    余白があると、ほかのことを考えられる。

    実際に住んでみると、とうみは住みやすいし、とても便利だと思います。この生活を味わったら、都会には帰れないと思います。
    生活のテンポがこれまで速かったひとが、遅くなることはまったく問題ないと思いました。逆は大変だと思いますが。

    東御市がいいのは、コンパクトなところ。24時間生活するうえで、必要なものが必要なだけ過不足なくそろっています。
    医療面でも、拠点病院が近隣の上田市や小諸市、佐久市にあるんですが、こんなにはしからはしまで医療のインフラが整っているのは素晴らしいと思います。

    都会って、選択肢が多くて自分で選ぶような生活をしているようにみえますが、実は選ばされていたんじゃないかなって思います。何か余白がないと、他のことって考えられないはずですから。

    これまでの生活は、何もムダになっていないの画像

    これまでの生活は、何もムダになっていない

    とうみしを良いといえる理由は3つあると思います。

    ひとつめは、やはり人生が180℃変わったことですね。
    これまではいわゆる企業戦士だったのですが、今は巨峰の栽培をしています。自然と触れ合っていることでライフスタイルも自然になったように思います。

    ふたつめは、地域との関わり合いが良いことですね。
    こちらに来た当初はなかなかあいさつなどしてもらえませんでしたが、あるとき輪番でまわってきた組長をやったことから、地区の公民館長をやったり、高齢者クラブの会長をやるようになりました。
    それから、地域の人たちと親近感や仲間感ができ、価値観を共有できるようになりました。自分さえ入っていこうとすれば、入っていけるのが東御市なんだと思います。

    さいごは、現在、地域でのボランティアをやってるのですが、それによって地域の課題が見えるようになってきたことですね。

    一貫して思うのは、移住してきて生活が変わったとしても、これまでの生活は何もムダになっていないということです。
    企業戦士としての経験は、たとえば地域での話し合いがあって話をまとめなければならないときに、その方向性をリードできるというスキルに結びついています。
    グローカルでありたいんです。地方に来たからと言って、地方だけのことを考えるのではなくて、都会の情報も収集できればいいなあと思います。
    逆に都会にいたら、視野が狭かったかもしれません。

    現在、移住者の方があつまる団体「とうみよいとこプロジェクト」に参加しているのですが、
    この団体が開催するイベントとして移住して間もない方が気軽に集まれるサロンができたらいいなあと思っています。
    移住してきて間もない方の中には、なかなか地域にとけこむことができなかったり分からないことが多いって言う人もいると思います。
    そんな方が気軽に集まれる場所を作りたいなと思っています。

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